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海外のインター校で得た素敵な体験② 調べ考え創作し発表する学び

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インターナショナルスクールに通っている子どもたちが、いつも興味深い課題に取り組んでいます。

虫たちのためのホテルを作ったよ🐞🍂

第二次世界大戦で戦ったフランス軍の兵士が戦地で遺した日記を作る、というのは結構大変だったね💦

Slam poetryという挑戦的な詩を作って舞台で発表っていうのもあった🎤

どれも一体何の授業なの?というような課題ですが、

様々な科目を合わせて練られている課題で、

いろんな意味でとても良い勉強になっています。

いずれもまともに取り組めば一筋縄ではいかない課題で、

娘たちは四苦八苦してはいますが、結構楽しんでいるようです。

こういう勉強をさせたくてインターナショナルスクールを選んだんだ♡

虫のホテル 理科?図工?

小学校低学年の娘が「虫のためのホテル」を作っていました。

理科(自然の観察)

虫が居心地良く過ごすには何が必要なのかをまず考えます。

虫は一体どんな物を食べ、どんな場所を好むのか。

葉っぱや枝を集めてきて敷き詰めたり

どんな餌をどのように置くのが良いか考えたりします。

寝床はどうするか、隠れ場所や動くためのスペースは…等々。

図工(工作、お絵描き)

そして、それを工夫を凝らして飾ります。

大小の箱を組み合わせ、絵の具や色紙、ビーズやモールなど、実に様々な材料を時には持ち寄ったりして使います。

それぞれが自分の一番素敵なホテルを作ります。

発表

最後にクラスの皆の前で説明し、発表します。

どんなところを工夫したのか、どんなところが一番気に入っているのか、自由に発表します。

みんな友達の作った素敵なホテルに興味津々です。

  • 虫の生態を観察して知るだけではなく
  • 自分なりに工夫して創作し
  • それを人に説明する

この一連の学びがミソです。

ここには自発的に考えるプロセスが巧みに仕込まれています。

兵士が遺した日記 歴史?地理?外国語?美術?技術?

第二次世界大戦で戦った一人のフランス兵士が戦地で遺した日記を創作する課題です。

高校生の娘が取り組んだこれは、とても複雑な課題でした。

科目としては、歴史のようですが、幅広い技能を駆使して取り組む内容です。

資料の検索、調査(インターネットのリテラシー)

創作ではありますが、なるべく史実に近づける課題なので、

まずは幅広く資料を探し、調べます。

今の時代らしく、インターネットでの検索が中心でしたが、

これは、使える資料なのかどうか、という判断とその根拠が求められます

ここではインターネットを使う上でのリテラシーが問われています。

歴史(どこでどんな戦いに参加した?)

第二次世界大戦はどんな戦争だったのかをその背景などと共に学びます。

そして、ヨーロッパでの戦況は?その兵士が戦っていたその戦いとは?と的を絞って調べて行きます。

その兵士はどのような状況で従軍したのか?徴兵だったのか?

具体的な史実を確認し、細かい状況設定をします。

地理(戦場はどんな場所・環境だった?)

当時のその場所がどのような環境だったのか、調べます。

気候、地形などの環境はどんな感じだった?

兵士はどんなところをどのように行軍しただろう?

兵士がいた塹壕はどんな状況だったのだろう?

雨や雪は降っていたのか?

現在と過去の様子をなるべく詳しく調べます。

外国語(フランス語で?)

フランスの兵士が書いた日記なのだから、フランス語で書かれているはず!

さすがにフランス語は知らないので、インターネットの翻訳機能を駆使しながら創作します。

どんな言葉遣いで、どんな文章を書いたのだろう?

想像をめぐらせて作文し、翻訳します。

いい加減な翻訳にならないよう、AIを駆使して英→仏、仏→英、日→仏、仏→日を繰り返し、確認します。

そうやって、なるべくリアルな文章を初めてのフランス語で作りました。

他者の立場になって考える

日記なので、その兵士の立場になって書かなければなりません。

どんな内容の事を彼は書いたのだろう?

毎日の行軍の状況?戦況?故郷への思い?

彼はどんな暮らしをしている人だったのか?

どんな事を考えていたのだろう?

どんな気持ちで戦死した?

美術(どんな日記帳?どうやって作る?)

戦地に赴く兵士が当時大切に持ち歩いた日記はどのような物だったのか?

家族の写真が挟まれていたかもしれない。

何度も繰り返し読んだ家族からのハガキが挟まれていたかもしれない。

どんな形の手帳だっただろう?

どんな場所でどのような状況で書いたんだろう?

どんな風に汚れている?

調べたり想像したりして、極力リアルに再現します。

慣れないフランス語も頑張って手書きで再現します。

美術のセンスと技術が問われます。

発表

出来上がったものは、学校内で美術展のように飾って展示し、

下級生たちに説明もします。

音響やライトなども使ってまるでタイムスリップしたかのような演出でした。

色々な質問にも答えます。

これはどうしてこうなったのか、を考え、説明することで、

自分の成果物を様々な角度から検証することにつながります。

この説明までの流れを通し、娘は幅広い学びを得ることができました。

Slam poetry 英語?社会?演技?

同じく高校生の娘が取り組んだ課題です。

日本では現代文のような科目で出された課題でした。

社会に対する挑戦的な内容の詩を時にパフォーマンスも加えながら舞台の上で披露します。

英語(詩の組み立て方や用法)

英語における詩とはどのようなものか?

言葉の使い方、ルールなど、体裁をきちんと理解しなければなりません。

様々な例を鑑賞し、まずは、Slam poetryとは何かを学びます。

社会(何を訴えるか?)

自分の詩で何を伝えたいのかを考えます。

自分がどんな社会に居て、どんな事を考えているのか。

なぜそれを伝えたいのか。

まずは、世の中にアンテナを張り、現在の社会について知らなければなりません。

そして、考え、自分が訴えたい事、つまり、自分の詩のテーマを決めます。

発表(舞台で演じる)

自分で作った詩をどのように読めば皆に伝わるだろうか、を考え、実践します。

ジェスチャーはどうする?

衣装は?

動き回ったほうがいいか?

座るか?

なぜその動きが必要なのか?

自分の作った詩を何度も何度も推敲し、頭の中でイメージを膨らませ、

それをいかに観客に伝えるかを考える過程で、

娘の思考はどんどん研ぎ澄まされます。

そして発表をすることで、社会に思いを届けるのです。

そこには、言葉というものの本質的な学びがあるように思います。

調べ、考え、創作し、発表する学び

どの課題もなかなか大変で、特に高校生の課題は外国語で学ぶ娘たちにはかなりハードルが高く、親として時には助け舟も出しました。

共通しているのは、いずれも特定の科目に限って考えるものではなく、

様々な分野を縦断・横断して検討しなければならなかったという事。

そして、

① 自分で調べ
② 考え
③ それを元に創作し
④ 発表する

という流れで構成されている事。

この一連の方法は本当に勉強になると思いました。

考えないと作り出すことはできないし、

ちゃんと考えなければ発表することもできません。

ポイントは「考える」という事です。

しかも発表にエンターテイメント性を持たせているので、楽しい。

歴史の授業を見れば、

半年かけて娘は第二次世界大戦のあたりしか勉強していませんでした。

古代史も中世史も勉強しないままです。

でも、そもそも歴史とは、何のために学ぶのでしょうか?

多くの年号を暗記していることよりも、

資料を探し、検証し、考えるという行為の方が、

歴史の根本的な学びのような気がしてなりません。

こういう勉強をしたくて、日本を飛び出して来たんだ!

そう。本当に来て良かったね!

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