せっかく英語の学校に子どもを通わせているのに、日本人のお友達とばかり一緒にいて、なかなか英語が喋れるようになりません。
海外で子育てする時によくある悩みです。
親としては、悩ましいですね。
でも、
1)学校に楽しく通っていて
2)学校の勉強に真面目に向き合っていれば
大丈夫👍
一番大切なのは、学校が楽しい事。
慣れない外国語での学校生活には大変なストレスがかかります。楽しくなければ辛すぎます。
その上で、学校の勉強にちゃんと取り組むこと。
具体的には「外国語で学ぶ」ということに真剣に向き合うこと。
学校での授業にきちんと向き合っていれば、必ずや多くの事を子どもは学んでいます。
むしろ、ペラペラ喋る能力があっても、きちんと勉強していなかったら…本末転倒です。
まずは、学校に楽しく通い、勉強にきちんと取り組む事を重視しましょう。
そうすれば、良い結果が後から必ずついて来ます。
かつて海外で教育を受けて悩み、今は海外で子育てをする母親として、私はそう確信しています。
外国語の学校に通わせるということ
子どもに想像以上のストレスがかかっている事を理解する
せっかく海外にいるのだから(行くチャンスがあるのだから)、外国語の学校で勉強させたい。
外国語の学校で勉強するのは、とても良い経験になりますし、私も積極的にそれを勧めます。
でも一つ、絶対に忘れてはいけないのは、
慣れない外国語で学校に通うというのは、子ども本人にとって、とてもとても大変な事だという事です。
勿論、個人差はあります。
でもちょっと想像してみて下さい。
先生が言っていることも、友達が言っていることも、分からない。
自分が言いたいことも、伝えられない。
授業でやっていることも、宿題も、訳が分からない。
そんな状況、楽なわけないですよね?
そういう所で、子どもたちは必死にもがいている訳です。
もがきながらも、気の合う友達を見つけて、大変な学校生活を前向きに頑張っている。
まずは、楽しく学校に通うことを一番大切にしてあげたい。
言葉で苦労しながら、友達もいなくて学校が楽しくなければ、もう、辛すぎます。
気の合う人と仲良くなるのは自然のことです。それが同じ日本語を解する仲間であるだけです。
つい親としては、日本人ではない子ともお友達になりなさい、と口を出しがちですが、そこは、相性もあるので、なかなか簡単ではありません。
何を学ぶためにその学校に通う?
「外国語をペラペラ喋る能力」が重要なのではない
小学校低学年ぐらいまでの子どもの、特に耳から外国語を吸収するスピードは驚くほど早いです。
言葉は使えば使うほど身につくので、外国語で友人たちと交流していれば、他愛のない会話であれば、すぐに出来るようになります。
大人が舌を巻くようなネイティブ並みの発音で、ペラペラ喋るようになります。
日本人同士で固まって外国語での交流が乏しいと、ここがなかなか身につかず、
外国語で喋り交流するという、見た目にも明らかな外国語能力が見えにくいので、親としては心配になるのかもしれません。
でも、実は、このペラペラ喋る能力があっても、必ずしも必要な事を学んでいるとは限りません。
友人たちとのふざけっこの言葉を覚えていても、学校の授業の意味が分からず宿題を放棄しようとする子もいます。
ペラペラ喋る能力よりずっと大切なのは、学校での授業にきちんと向き合い、学齢相当の学びをちゃんとする、という事を忘れてはいけません。
見た目から価値観まで全く違うさまざまな同級生たちの中にすんなり溶け込む子もいれば、交流するのが苦手な子もいます。言葉の壁があれば尚更ハードルは高くなるでしょう。
子どもそれぞれの個性に合わせ、無理強いをしないで、少しずつ交流の輪を広げられるよう、支えてあげるしかありません。
まずは、学校の勉強、宿題などに真面目に取り組み、学齢相当の語学力に少しでも近づけるよう、努力します。
そうしていれば、次第に言葉の壁が消え、自信もつき、交流の輪を広げていけるでしょう。
喋る能力はそのうちに自然に身につきます。
外国語で学ぶことで得られるもの
外国語の読み書きや会話ができる、だけであれば、独学や語学学校に通うだけでもある程度身につけることはできるでしょう。
インター校や海外の現地校で、外国語で勉強するというのは、もっと別の学びがあります。
外国語の考え方で世の中の様々な事を学びます。
例えば、第二次世界大戦について、日本では、太平洋戦争における日本の状況を中心に学びますが、オーストラリアの学校で教える際の視点はまるで違っています。
教育方法も国や地域によって全く違います。
教科書に書かれていた内容をどれだけたくさん覚えていたかを見る紙の定期試験が重視される学校がある一方で、
普段の授業への参加態度を重視し、発表やスピーチを試験とする学校もあります。
これだけ違った環境で子どもたちが知るのは、日本の外には、全然違った世界がある、ということです。
例えば英語を母語とする人と、日本語を母語とする人とでは、基本的な考え方も違います。
英語の人は英語で世の中を捉え、考え、日本語の人は日本語で世の中を見て考えるからです。
外国語の学校で学ぶということは、日本語とは違う考え方をする先生から世の中のことを学ぶということなので、
当然ながら、同じことを学んでも、日本の先生から学ぶのとは、違った内容になるのです。
日本人として考える自分と、外国語の視点から見る学び、その両方が合わさった時、
子どもは、一つの物事を多角的に捉えることになります。
外国語の学校で学ぶというのは、これの積み重ねです。
世の中は実に多様で、バラエティーに富んでいる、ということを知り、
物事について別の角度から考える力を持つ事は、必ずや将来の糧になるでしょう。
親としてできること
幅広く交流する楽しさを自ら示す
まずは、親自ら、外国語の世界で交流する姿を見せましょう。
学校のイベントや交流会などに積極的に親子で参加し、交流を深めることで、子ども同士の交流の輪も広がります。
親たちは日本語で固まっていて、子どもに外国語で交流しなさいと言っても説得力はないですよね。
宿題や課題に一緒に取り組み、学ぶ
慣れない外国語の宿題や学校の勉強は大変です。
積極的に手伝い、サポートしてあげましょう。
学校の先生に相談することも時には必要です。
日本の学校の先生のようにきめ細かく指導をしてくれるとは限りません。
学習状況に目を配り、必要なことはきちんと学校に伝える姿勢が重要です。
頻繁に届く学校からのメールなどにちゃんと目を通し、学校行事には積極的に参加します。
何のために外国語で勉強しているのか根気よく伝える
外国語での勉強は日本の勉強よりずっと骨が折れます。
何のための学習なのか、根気よく伝えましょう。
外国語能力を身につけるだけでなく、
日本とは違った考え方を知り、物事を多角的に捉える、
広い視野を育むことの豊かさを伝えます。
外国語は使わなければ使えるようにならない事を根気よく伝える
外国語は使えば使うほど身につき、使わなければ失われます。
言葉がわからなくて困っているなら、
勉強したり、会話したりする事で
どんどん分かるようになるという事を教え、励ましましょう。
逆に使わないでいたら、一度得た物も簡単に無くなってしまいます。
外国語に集中するあまり日本語を使わないでいたら、すぐに忘れてしまいますので、ご注意を。
中学生以上は本人の自覚次第で得られるものは変わってくる
思春期の子育てを経験した身としては、そして嘗ての自分を振り返ってみても、親にできることは限られているなと思います。
親からの〇〇しなさい、〇〇してみたら?、はほとんど通じません。
何のために今これをするのか、という事を本人が納得しなければ動きません。
外国語の学校に通うことそのものから、本人が自主的にやると決めなければあまり効果はないでしょう。
外国語で学ぶのは学齢が上がるほど難易度が上がり、困難さが増します。
それでもやるんだ、という強い意志がなければ到底できるものではありません。
親に出来るのは、明るく側で支えることと、
今の学びを経た後に広がる多くの可能性を、根気よく示す事ぐらいでしょうか。
転校?
どんなクラスメートと出会うかは、運次第
日本人生徒はいないと聞いて入ったのに、入ったら同時期に何人も入っていて、日本人同士で付き合うようになった、とはインター校でよくある話です。
また、生徒の性質も様々です。
こればっかりは運としか言いようがありません。
勿論、事前に学校見学をして、我が子に合う学校かどうか、なるべく見極めたいところではありますが、編入予定者の確認やクラスメートの性質まで事前にチェックすることはできません。
状況に応じてできる事をやるに尽きる
ポイントは
1)学校に楽しく通えているか
2)学校の勉強にきちんと向き合っているか
の2点です。
学校に楽しく通っているのであれば、
当初の期待ほど外国語が伸びていなくても、学校の勉強にきちんと向き合っていれば、いずれ外国語の力もついて来ます。
どうしても納得行かない場合は転校も検討…でも慎重に
学校に楽しく通えていないなら、転校も視野に入れて対策を考えます。
でも、学校に楽しく通えているのであれば、転校は慎重に。
外国語の学校への通学は子どもにとって結構なストレスであることを忘れずに考慮しましょう。
学んだことを活かし発展させるのは本人
隣の日本人の子がペラペラ外国語を喋っているのを見て、焦る必要はありません。
学校の勉強を通して、子どもたちは、実に多くのものを学びます。
外国語の学校で学んだ事は、必ずや子どもたちの将来の糧となります。
ペラペラ喋る能力に惑わされる事なく、基本の学びをしっかりできるよう、サポートしてあげましょう。
親に出来るのは、それくらいです。
その先、将来、外国語で学んだ事をどのように活かし、発展させるのか。
それは子ども自身が自分で決めて歩んで行きます。
楽しみですね!
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