最近夜のまったりタイムに楽しんでいるものの一つが、なぞりがき。
字が下手なのを少しでも改善したくて始めたのだが、内容が面白くて、飽きずに続いている。
今までも時々ペン習字などに挑戦して字の改善を試みたが、なかなか続かなくて、結局字はいつまでも下手くそなまま今まで来てしまった。
ひたすら文字の羅列を書き続けるのは苦手。
思えば小学生の頃、漢字書取りプリントが嫌で嫌で本棚の隅に隠してやらなかった事もあったくらい。
ところが今回のは、百人一首のなぞりがきというもので、内容に釣られて始めたもの。
そもそも百人一首についても常識レベルは愚か、殆ど知らないと言っていいくらい、今まで触れずに来てしまった。
なぞりがきで綺麗な字を書く訓練になり、かつ基本的な百人一首についての勉強にもなりそうだと思い、私としては珍しく書店で即決して購入した。
二、三日おきに開く程度なので、進み具合はだいぶゆっくりだが、
一日一首、鉛筆でゆっくりなぞっていると心も落ち着く。
なぞる量は大したことはなく、かつての漢字書取りのような苦行でないのが丁度いい。
その点は訓練としては若干心許ないのだが、まあ、いい。
しかし恥ずかしながら殆ど百人一首をまともに読んだこともなかった私にとっては、
一首一首をじっくりゆっくり書き写すのはとても良い勉強になる。
そして面白いのは、歌や作者についての解説。
初心者に分かりやすく簡単に書かれていて、適度なのがいい。
「へー」とか「ほー」とか言いながら一人で楽しんでいる。
そこで一つ発見した「?」。
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
と言う歌。
作者の阿倍仲麿が、唐で祖国を思って詠んだ歌。
なるほど、と納得。
しかし、本人は帰国はできないまま、唐で亡くなった、との解説。
え?
じゃあこの歌、どうやって日本に伝わったの?
今のように電話やSNSはもちろん無く、郵便も人の往来もかなり困難、というか、一々命がけの渡航の時代ですね?
そもそも郵便なんてあったのか?
友人や知人が代わりに運んだのか?なんて思ってみたが、
本人も帰りたいのに帰れなかったくらい遠いところから、歌を届けるなんてそんな事、できるのか?
こういう謎、とても面白いです。
今の暮らしには、はっきり言ってどうでも良い、関係ない事だけれど、
久しぶりに知的好奇心を刺激されて、とても面白かった。
平凡な一日がワクワクな一日に変わる刺激。
こういう些細な刺激を大切にしたい。
次はこっちをやってみたい↓
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