毎日寒くなってきたね。
寒い時期にぴったりな絵本を紹介するよ。
この記事ではウクライナ民話の「てぶくろ」を紹介します。
今から半世紀以上前に出版された絵本ですが、本屋さんなどでも人気の冬の定番絵本です。
ストーリーはとてもシンプル。
おじいさんが雪の中に落とした手袋の中に動物たちが住みつきます。
いろいろな動物が出てくる楽しいお話です。
我が家の子どもたちも幼稚園に入る前から親しんできました。
そして、この本は挿絵が素晴らしい!
エキゾチックな画風で動物たちが生き生きと描かれていて、読者を物語の世界に連れて行ってくれます。
私たちには普段あまり馴染みのないスラブの世界を堪能する読書体験ができる、素敵な絵本です。
今ウクライナは過酷な冬を迎えています。
一刻も早くウクライナに平和な日々が訪れてほしい。
子どもと一緒に考えるにも。
小さな子どもから大人にも、どなたにもオススメの一冊です。
てぶくろ ウクライナ民話
てぶくろ ウクライナ民話
エウゲーニー M ラチョフ 絵
うちだ りさこ 訳
福音館書店 1965年
森の中を行くおじいさんが片方の手袋を落として行ってしまいます。
そこにネズミが1匹やってきて、「ここでくらすことにするわ」と言って住み始めます。
カエル、うさぎ、キツネなど次々にやって来ます。
片方の手袋一つだけですから、とても中に入れそうにない動物たちですが、ちゃんと収まって一緒に暮らし始めます。
ごく普通の手袋だったのが、次第に梯子が掛けられ、扉が付き、小屋のようになっていきます。
ちょっと困った相手でもなんとか譲り合って入ります。
森の中はとても寒そうに雪が降っていますが、手袋のお家はいかにも暖かそうです。
日本語の響きがとても優しく、言葉遣いに品があり、音読していて心地よい一冊です。
挿絵からスラブの世界へ
この本の最大の魅力は何と言っても挿絵です。
登場する動物たちは素敵な衣装を身につけていて、小屋の様子もなかなかお洒落です。
情緒たっぷりに描かれた挿絵がシンプルなお話を引き立てています。
ロシアの絵本作家、ラチョフが描く挿絵は、とてもエキゾチックです。
ロシアとかウクライナとか、スラブの世界だね。
あまり馴染みがないようだけど、スラブの世界は東ヨーロッパ一帯に広がっていて、なかなか素敵なんだよ。
ぎゅうぎゅう詰めの手袋の小屋は今にもミシミシと音を立てそうです。
素朴ながら臨場感のある挿絵で物語の世界に私たちを引き込みます。
素敵な挿絵の世界に引き込まれているうちに、知らず知らずスラブの世界の森を旅しているような、そんな素敵な読書体験ができます。
子どもと時空を超えた旅のひとときを
ウクライナ民話「てぶくろ」は
小さな子どもにも楽しいお話と
エキゾチックな挿絵が素敵な
絵本です。
愉快な動物たちの様子を楽しむもよし。
スラブの世界を描く挿絵に魅入るもよし。
雪の深い森の中を彷徨う、時空を超えた旅をひととき味わうこともできます。
いろいろな視点で楽しめる愛らしい絵本です。
絵本から世界を考える
今、ウクライナは過酷な冬を迎えています。
極東の地にいると遠い出来事のように思いがちですが、一冊の絵本をきっかけに想像してみましょう。
一人一人にできる事はそんなに大きな事ではないかもしれません。
でも一人一人が考える事で何かできるかもしれない。
親子でそんな考える時間を持つきっかけにもなる一冊です。
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