街がだんだんクリスマスムードになってきたね。
うちもそろそろクリスマスの準備を始めなくっちゃ。
そんなクリスマス気分を静かに盛り上げてくれる素敵な洋書をご紹介します。
アメリカのターシャ・テューダーの絵本、The Night Before Christmasです。
アメリカをはじめとする英語圏で広く知られた詩「クリスマスのまえのばん」を美しい絵と共に綴った英語の絵本です。
「クリスマスのまえのばん」って、詩だったんだね。
そうなの。
白いお髭のお爺さんサンタとか、トナカイのソリとか、クリスマスのイメージを世界に広めるきっかけになった詩なんだって。
ディズニーの「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」はその題名を捩ったものだったんだ。
ターシャ・テューダーは園芸家としてもライフスタイルが素敵なことでも有名だった人で、日本にもファンが多いけど、絵本作家としても人気があるね。
伝統的アメリカの美しい暮らしや情景を描いた絵がとても素敵だね。
おしゃれな絵本なので飾って眺めるだけでも幸せなクリスマス気分になれます。
一味違ったクリスマスプレゼントに最適な一冊です。
The Night Before Christmas by Clement Clarke Moore
The Night Before Christmas
Clement Clarke Moore 作
Tasha Tudor 絵
Little, Brown and Company 1999年
日本語の絵本もたくさん出版されている「クリスマスのまえのばん」はアメリカで発表された詩が元になっています。
クリスマスイブの夜、家族が寝静まった真夜中が舞台です。
ある父親が家にサンタクロースがやってくるのを目撃します。
その様子を描いた詩です。
ターシャ・テューダーは各場面を愛情たっぷりに描いています。
雪が降り積もった田舎の景色が素敵。
うさぎとか鹿とかたくさんの生き物がいて、すごく可愛い。
部屋の中はとても暖かく、いかにも居心地が良さそうです。
飼い犬や猫たちだけでなくて、床下のネズミたちもクリスマスを祝ってるの。
プレゼントやクリスマスの飾り、子どもたちの夢までもが色とりどりに描かれていて、見ているだけで幸せな気持ちになる絵です。
クリスマスのイメージを世界に広めた有名な詩
The Night Before Christmas は1800年代に新聞に掲載されて有名になった詩です。
最初、無名で掲載されたため、作者は謎だったのですが、その後クレメント・クラーク・ムーアという人が作者として言われるようになったそうです。
異論もあるそうですが、多くの本がムーアの作品として出されています。
原題は A Visit from St. Nicholas(聖ニコラスの来訪)と言われています。
今では詩の冒頭の部分をとって The Night Before Christmas が題名として広く使われています。
何だか、ちょっとミステリアスな感じだね。
うん、でもこの詩はとても人気が出て、そこに描かれているサンタさんのイメージが世間に定着することになったんだって。
サンタさんと言えば…
トナカイのソリに乗って空からやってくる
煙突から入ってくる
白いお髭でニコニコしたお爺さん
等々
私たちが思うサンタさんのイメージはここからだったんだね。
詩の中ではトナカイ一頭一頭にも名前がついてるんだよ
そうそう。
いつもクリスマスに聴いてるビング・クロスビーが「赤鼻のトナカイ」の途中で何やら言ってるんだけど意味がわからなかったんだよね。トナカイの名前を連呼してたんだって気がついて「オッ!」と思ったよ。
とても楽しい詩なので読んでいてワクワクします。
それに、アメリカでは常識として広く知られている詩は教養として知っておいて損はなさそうです。
オリジナルの英語版を楽しむ
この絵本はアメリカで出版された絵本なので、もちろん、詩はオリジナルの英語で書かれています。
古い表現で書かれていますし、詩なので、普段私たちが身近に触れる英語とは結構違います。
一字一句を完璧に理解しようと思うとハードルが高くなってしまいますが、そう身構えずに楽しみましょう。
日本語の本もたくさん出版されているから、それを参考にするとわかりやすいよ。
内容をざっくり理解したらオリジナルの英文に触れてみましょう。
声に出して読んでみると魅力は倍増です。
とてもリズミカルな詩ですから楽しい響きを楽しめると最高です。
静かに寝静まった部分は密やかに
サンタさんが賑やかに登場するところはワクワクするように
「Happy Christmas」と言いながら夜空に帰って行く場面では楽しげな余韻を。
ターシャ・テューダーの絵の世界
ターシャ・テューダーはアメリカを代表する絵本作家の一人です。
綺麗な庭や暮らしぶりが日本でも話題になって、テレビでも人気があったね。
伝統的なアメリカの暮らしを大切にした人で、様々な本が出版されています。
どの絵本もとても優しいタッチの水彩画で彩られていて、眺めるだけで素敵な本ばかりです。
部屋の中の調度品とか、とても細かいところまで描かれているのが好き。
アンティークのドールハウスを見ているみたい。
特に伝統的アメリカの四季折々のイベントについての詳細な絵は美しいだけでなく、とても興味深いものがあります。
こんな飾りつけをしていたんだ、とか、こんな習慣があったんだとか、とても面白いの。
このThe Night Before Christmasでも部屋の飾り付けが細かく描かれているね。
とても素敵で真似したくなる。サンタさんへのお菓子の用意とかすごく可愛い。
本を贈ろう
The Night Before Christmasは
有名な詩のリズムに合わせて
伝統的アメリカのクリスマスの情景を
美しく描いた絵本です。
眺めるだけでも十分楽しく、
読んで英語のリズムを味わうのも良し。
詳しく知ることで教養にもなる。
そんな素敵な一冊です。
一味違うクリスマスプレゼントとしてもオススメです。
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