クリスマス向けの絵本が本屋さんにたくさん並ぶ季節になりました。
この記事では、我が家の本棚に昔からある、とっておきの一冊を紹介します。
クリスマスの おくりもの
コルネリス ウィルクスハウス 作
リタ ヴァン ビルゼン 絵
高村 喜美子 訳
講談社 1978年
心優しい男の子の旅路が美しい絵と共に綴られています。
人を思う優しい気持ちがテーマの素敵なお話です。
子どもの頃は意識していなかったけど、この本はキリスト教のイエスの誕生にまつわるエピソードをベースにしたお話なの。
「クリスマスのおくりもの」は心温まるストーリーを子どもでもわかりやすく語ると同時に、イエスの誕生に関連する重要なエピソードである東方の三博士のエピソードを自然に教えてくれます。
星に導かれてイエスの生まれた所に向かったり、3人の王さまが生まれたばかりのイエスに贈り物をしたり、という場面があったね。
クリスマスは単なる楽しい冬のイベントではなく、キリスト教の社会ではとても大切な宗教行事です。
お話を楽しむことを通じて、教養も身に付く、そんな素敵な本を紹介します。
大切な人へのプレゼントにもオススメです。
クリスマスのおくりもの
クリスマスの おくりもの
コルネリス ウィルクスハウス 作
リタ ヴァン ビルゼン 絵
高村 喜美子 訳
講談社 1978年
心優しく立派な王、バルサザール王が、星の観察を通じ、かみさまの子、本当の王さまが誕生した事を知ります。
そしてそのあたらしい王さまに会うべく星を辿って旅に出ます。
その後を追って旅をする息子のイレーヌスが主人公です。
心優しいイレーヌスの行いを通して、読者は、本当の優しさや人の心の美しさについて考えます。
「いちばんすばらしい贈り物」
元はスイスのチューリヒで出版されたこの本の原題は「いちばんすばらしい贈り物」を意味するのだそうです。
イレーヌスは旅の途中で出会う困っている人たちを助けるため、自分がとても大切にしているものを渡してしまいます。自分の悲しみはグッと堪えて。
大人になってから子どもに読み聞かせると、つい涙が出てきちゃって困るくらい、感動的。
本当に尊いのは、美しい心
ということを伝えてくれるお話です。
東方の三博士
日本でクリスマスというと、プレゼントやケーキを楽しむ冬の楽しいイベントのイメージですが、キリスト教の世界ではもっと神聖で厳かな宗教行事です。
イエスの誕生を祝うクリスマスに欠かせないのが、聖書にある東方の三博士のエピソードです。
星に導かれてイエスの誕生の場所に集まった3人の博士(王とも賢者とも)が生まれたばかりのイエスに贈り物をします。
このような聖書のエピソードはキリスト教の世界では所謂「常識」となっています。
イレーヌスのお父さん、バルサザール王はその三博士のひとりとして描かれています。
自然と身につける教養
聖書を学ぶとか、クリスマスの意味について学ぶとか、勉強となると少し身構えてしまいそうです。
解説書を読んで勉強するのも結構ですが、なかなかハードルが高いものです。
でも実は小さい内から沢山の良質な絵本を読む事でさまざまなことが学べます。
楽しいお話を通して子どもは自然とさまざまな事を知ります。
東方の三博士のエピソードもその一つ。
後で世界史とかで東方の三博士の事を習った時、このお話を思い出して「あれはそういう事だったんだ」と思ったよ。
何となく感覚として知っていた内容が、後の学習で学んだ内容とリンクした時、「腑に落ちる」感覚ってあるよね。
読書を通じてさまざまな事を知る
↓
後の学習内容と繋がる
↓
確たる知識として蓄えられる
↓
教養
本を贈ろう
「クリスマスのおくりもの」は、
心の美しさの尊さと
クリスマスの意味
を教えてくれる美しい絵本です。
良質な本は年齢問わず、誰にでも何通りもの味わい方がある素晴らしいものです。
大切な人への贈り物として、本を贈りませんか?
美しい絵を眺めるのもよし。
心温まる物語を噛み締めるもよし。
教養の糧にするもよし。
時空を超えた心の旅をすることも出来ます。
「クリスマスのおくりもの」は今では残念ながらアマゾンでも中古品しか見つかりません。
本屋さんでも最近は見かけなくなってしまいました。
でももし、どこかで出会うことがあれば、是非お手にとってみてくださいね。
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