少しずつ秋が近づいて来ました。
なぜか夏の終わりごろになると
林明子さんの絵本が読みたくなるの。
林明子さんはミリオンセラーの「こんとあき」でも有名な、日本を代表する絵本作家さんです。
小さな女の子の佇まいがとても可愛らしく、ファンの方も多いでしょう。
素朴な日常を見つめる視線はとても温かく、読んでいる私たちも幸せな気持ちになります。
林明子さんの絵は
昭和の暮らしを知っている私には
特に懐かしい感じがするしね。
数々の名作の中から特に我が家で愛読してきた5冊を紹介します。
夏の終わりから秋にかけて読むのにぴったりですよ。
林明子さんの世界
林明子さんは単独でも共著でも数々の絵本を出版されている日本を代表する絵本作家です。
「おつきさまこんばんは」や「こんとあき」など、本屋さんでいつも平積みになっている絵本を目にした方も多いでしょう。
表紙に描かれている子どもの絵が可愛らしくて心が和みます。
物語の主人公たちは、皆、身近にいるお友達のような子どもたちです。
どれも素朴な日常のちょっとした出来事を優しい眼差しで描いたお話です。
普段の暮らしを愛おしむ気持ち。
身近な自然を慈しむ気持ち。
本や物語を愛する気持ち。
そんな素朴な幸せを感じさせてくれる絵本の数々。
異国のファンタジー絵本など、遠い世界に想像の旅をするのも楽しいですが、
身近な世界の温かさを感じるのも良いものです。
きょうはなんのひ?
きょうはなんのひ?
瀬田 貞二 作
林 明子 絵
福音館書店 1979年
主人公のまみこちゃんがお父さんとお母さんに素敵な贈り物をします。
工夫の凝らされた仕掛けは一つ一つ興味深く、ワクワクしながら読みます。
家の中の様子がとてもリアルに描かれていて、
昭和生まれの私は懐かしく、
平成生まれの子どもたちは素敵なお部屋に興味津々です。
まみこちゃんは私と同じ絵本がお気に入りなんだって。
実際にある別の絵本が
さりげなく登場するのも、
絵本好きにはたまらないね。
まみこちゃんもお父さんもお母さんも、言葉や動作がとても優しく綺麗です。
一昔前の映画を見ているような、落ち着いた佇まいを感じます。
忙しさにかまけて万事乱雑になりがちですが、私もこうありたいと背筋が伸びる思いがします。
そして、家族3人がお互いのことを大切に思っている様子がありありと伝わって来る、素敵なお話です。
もりのかくれんぼう
もりのかくれんぼう
末吉 暁子 作
林 明子 絵
偕成社 1978年
女の子が公園の帰り道に不思議な森に迷い込むお話です。
一見、秋の森を描いているように見えますが、
素敵な隠し絵になっていて、とても楽しい絵本です。
動物たちとの触れ合いはワクワクしますし、
少し歳の離れたお兄ちゃんと仲の良い様子は
読んでいてとてお温かい気持ちになります。
紅葉の季節にぴったりの絵本だね。
びゅんびゅんごまがまわったら
びゅんびゅんごまがまわったら
宮川 ひろ 作
林 明子 絵
童心社 1982年
小学校の校長先生と子どもたちの交流が綴られています。
「あまのじゃく」な校長先生がとても面白くて、大人の私はニヤニヤしてしまいます。
びゅんびゅんごま、竹馬、草花遊び…
かつて何処でも見られた素朴な遊びを通して交流する様子が楽しく綴られます。
物語の舞台、
かえで小学校はとても素敵なんだ。
私もこんな学校に通いたかったな。
野山で駆け回って遊ぶ楽しさを感じさせてくれます。
はじめてのおつかい
はじめてのおつかい
筒井 頼子 作
林 明子 絵
福音館書店 1976年
小学校に上がったばかりの娘が大好きな一冊です。
5歳のみいちゃんが一人でおつかいに行きます。
初めての冒険でドキドキする様子は、こちらまで緊張しそうです。
子どもたちは、まるで自分のことのように感じているようです。
田舎のおばあちゃんの家がある町に
絵が似てるんだよね。
昭和の時代によくあった
住宅地の様子だね。
懐かしいな。
妹の世話で忙しいお母さんのお手伝いができて、
みいちゃんはまた一歩お姉さんになりました。
そんな喜びを感じられる一冊です。
おふろだいすき
おふろだいすき
松岡 享子 作
林 明子 絵
福音館書店 1982年
いつものお風呂が不思議なことに。
動物たちが迷い込んで来て賑やかなお風呂タイムになります。
石鹸でツルツル滑る様子など、巧みな言葉と絵でとてもリアルに感じられます。
動物も、主人公のまこちゃんもとても丁寧な言葉遣いが素敵です。
私のお気に入りは、かば。
とても気持ちよさそうなの。
せっかちなペンギン、のっそりカバ、元気なクジラなど、それぞれのキャラクターの性格が面白いので、読み聞かせの際には是非とも緩急をつけて読んでみてください。
子どもたちが喜びます。
だんだん温かいお風呂が嬉しい季節になりますね。
何気ない日常が愛おしい日常に
お互いを思い合う家族。
隠し絵が楽しい読書タイム。
草花遊びなど、身近にあるものを工夫して遊ぶ楽しさ。
ワクワクドキドキ。一歩お姉さんに近づく喜び。
あったかいお風呂の幸せ。
どれもとても素敵なお話です。
一日の締めくくりの読書タイムに是非親子で楽しんで下さい。
世界に開く心を育てる
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