いよいよ夏本番です。
ジリジリと日差しが照りつける季節。
夏休みももうすぐですね。
猛暑は辛いけれど、夏休みはやっぱりワクワクします。
そんな季節にぴったりの選りすぐりの絵本を4冊紹介します。
是非親子で「日本の夏」を味わってくださいね。
「めっきらもっきら どおんどん」
「めっきらもっきら どおんどん」
長谷川 摂子 作
ふりや なな 画
福音館書店 1985年
男の子が夏のある日、不思議な世界に迷い込み、楽しい冒険をするお話です。
お化け屋敷を連想させる表紙はお化け大好き子どもたちに受けること間違いなしです。
不思議な冒険は田舎の寂れたお堂から始まります。
真っ白い入道雲、みんみん鳴く蝉の声が聞こえて来そうな景色です。
昭和の時代、子供の頃を田舎で過ごした私には懐かしい風景です。
男の子はひょんなことから吸い込まれた異界で3人の妖怪たちと楽しい時間を過ごします。
いかにも楽しげな雰囲気がリズミカルな言葉から伝わってきます。
日本画を思わせる独特な雰囲気の絵はスピード感もあってグングン引き込まれます。
夏の夜、祭りの後のちょっと寂しげな帰り道を思い出す、そんな一面もあります。
緩急のある文章は音読すると楽しさが倍増しますので、読み聞かせにピッタリです。
「かばくん」
「かばくん」
岸田 衿子 文
中谷 千代子 絵
福音館書店 1962年
夏の動物園の1日が描かれています。
朝の爽やかな空気で始まり、夜の涼しげな空気で終わります。
「かばくん」が水の中で過ごしている様子はいかにも気持ちよさそうです。
キャンバスの布目の凹凸を生かした柔らかいタッチの絵は温かみがあり、私のお気に入りの一冊です。
主役の「かばくん」は肌の質感や大きな体躯の感じなど結構リアルに描かれています。
一方でつぶらな黒い瞳は愛嬌たっぷりでとても優しそうです。
ドラマチックな展開はありませんが、ほのぼのと優しいお話です。
夏休みに動物園は昨今の猛暑の夏には不向きなのかもしれませんが、せめて絵本の中ではそんな夏休みもいいなと思っています。
「やいトカゲ」
「やいトカゲ」
舟崎 靖子 文
渡辺 洋二 絵
あかね書房 1984年
ジリジリと照りつける日差しを感じる表紙です。
白く眩しい夏の景色です。
麦わら帽子、ランニングシャツに短パンと言った典型的な昭和の夏の格好をした少年が主人公です。
自転車をなくした少年のやるせない気持ちが綴られていきます。
暑い中、石の上で鈍く光るトカゲがじっとこちらを窺っている様子はいかにも夏らしく、ムンとした熱気まで漂ってきそうです。
少年の回想と共に淡い色彩の絵で春夏秋冬が美しく描かれていきます。
四季の移ろいがあっての日本の夏らしさを改めて感じさせてくれる素敵な絵本です。
「せんたくかあちゃん」
「せんたくかあちゃん」
さとう わきこ 作
福音館書店 1978年
ユーモラスな絵とお話が楽しい絵本です。
黒マジックと水彩絵具で書いたような親しみやすい絵です。
「かあちゃん」ですから、腕も体も太くて逞しい様子です。
逞しい「かあちゃん」が腕まくりをして大量の洗濯物をゴシゴシ洗っていく様子は爽快です。
読んでいるこちらまでさっぱりした気持ちになります。
子どもたちや動物たちもみんな楽しそうです。
天気のいい日に洗濯物を外に干すのはとても気持ちがいいですよね。
シャボンの香りが漂って来そうなお話です。
そんな爽やかな気持ちを子どもと一緒に味わえる作品です。
まとめ
ここにご紹介した4冊は必ずしも夏の定番ではないかもしれません。
梅雨が明けた後の青空。
ジリジリ照りつける日差し。
蝉の鳴き声。
そんな日本の夏らしさを感じられる絵本を我が家のライブラリーから選んでみました。
猛暑に気をつけながら、夏を楽しみましょう!
世界に羽ばたく心を育てる
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