今年も残すところあと少しだね…
年賀状とか大掃除とか何かと忙しいよ〜
クリスマスが過ぎればあっという間にお正月。
昔のようにお節料理を何日もかけて準備はしなくても、〆縄飾りや鏡餅を用意して新年の準備をする家庭も多いでしょう。
この記事では新しい一年を迎えるこの時期にぴったりの絵本を紹介します。
お正月を初めとする日本の伝統行事は旧暦で人々が暮らしていた頃から連綿と引き継がれて来たものです。
どうしてお正月は「新春」って言うんだろう?
これからどんどん寒くなる時期だって言うのに。
旧暦、つまり月の暦だとお正月は冬本番の山場を越えつつある頃にあったんだって。
これから少しずつ春に向けて陽が長くなって、暖かくなって行く時期だから「新春」だったらしいよ。
旧暦について知識を深め、新しい一年間をより豊かに暮らしてみませんか?
「お月さまのこよみ絵本」には素敵なヒントが詰まっています。
お月さまのこよみ絵本
お月さまのこよみ絵本
旧暦で行事をたのしむ
千葉 望 文
阿部 伸二 絵
理論社 2017年
月の満ち欠けをもとに作られたカレンダー、つまり月の暦(太陰暦、旧暦)について、この絵本は詳しく説明してくれます。
今、私たちは太陽のカレンダー(太陽暦)で暮らしていますが、明治以前の日本では月の暦で暮らしていました。
「お月さまのこよみ絵本」では一年間を旧暦で過ごすとどんな感じなのか、を分かりやすく紹介しています。
今はスマホやカレンダーでいつでも今日が何月何日何曜日なのか簡単に分かりますね。
昔の人々は天にのぼるお月さまを見て今日がどういう日なのかを知っていたそうです。
子ども向けの易しい言葉で書かれているので、小学校低学年の子どもでも大丈夫でしょう。
漢字にも大体ルビが振ってあるので2年生くらいなら自分でも読めそうです。
まるで浮世絵の風景画のような、優しく親しみやすい挿絵も素敵です。
月の満ち欠けについての説明や旧暦と今のカレンダーとの対照表(2026年まで)もついています。
太陽暦と太陰暦についての説明もあり、科学的な知的好奇心もちゃんと満たされる内容です。
これから寒さ本番なのにどうして「新春」?
お正月とか桃の節句とか、七夕とか、色々あるけど、日本の伝統行事の多くは月の暦の時代に始まったものなんだ。
寒さ本番がこれから来る時期に「新春」とか、まだまだ寒いのに桃の節句とか、梅雨空で天気が悪い最中に星を眺める七夕祭りとか、変だと思ってたよ。
旧暦を今のカレンダーに照らし合わせて考えると謎が解けるよ。
旧暦だと、今のカレンダーの25日から40日程度後ろにずれるんだ。
次の旧暦のお正月は2023年だと1月22日、
七夕(7月7日)は8月22日になるんだって!
2月が近くなる頃って、一番寒い時期が来たか過ぎる頃だよね。
だんだん陽が長くなって春に向かっていく時期だから、「新春」の感じが少しわかる気がするね。
8月の七夕祭りなら綺麗な星空が見られそうだね。
しかも、それぞれの行事の時のお月さまの形が決まっているから、星空が見えやすい夜空だったとか、満月が煌々と照らす明るい夜空だったとか、行事毎に特徴があったらしいよ。
旧暦の七夕祭りの夜空は月がそんなに明るくなくて星が綺麗に見える夜空なんだって。
四季折々の日本の伝統文化
お正月、七草粥、節分、桃の節句(雛祭り)、端午の節句(子供の日)、七夕、盆踊り、お月見、七五三、大晦日…
思いつくまま挙げてみましたが、年間を通して私たちの暮らしに馴染んでいる伝統行事はたくさんありますね。
これらは皆、旧暦の時代から受け継いでいるものです。
そのまま今のカレンダーに当てはめてもしっくりこないものが幾つかあります。
まだまだ野の草が芽吹く前の極寒の七草粥、春とは言い難い寒い時期の3月3日、梅雨空の七夕…
日本での暮らしは四季の移り変わりと共にあります。
普段意識していなくても、季節の変化と共にある日本の暮らしこそが、日本らしさ、日本文化そのものでもあります。
その日本文化は旧暦をもとに形成され、受け継がれて来たものです。
旧暦は日本の伝統文化の土台といってもいいでしょう。
旧暦を知ることは
日本の伝統文化を
より深く理解すること
旧暦の時代に人々がどのように暮らしていたのかを知ると、四季折々の伝統行事が一層味わい深いものになります。
四季折々の行事を
季節と共に味わう文化として
子どもたちに
伝えて行きたい
季節毎の行事を通じて月の暦について思いを馳せると、自然と夜空に目が向きます。
お月さまがスッキリ見える澄んだ夜空に秋の訪れを感じたりするね。
お月さまや季節を観察して季節の移り変わりを感じるのって素敵だね。
うん。それって、結構大切なことかも知れない。
新しい一年を迎えるにあたって
「お月さまのこよみ絵本」は
日本の四季折々の行事を
旧暦で過ごす一年間という形で
とても分かりやすく
教えてくれます。
年の瀬は、次の一年間をどうやって過ごそうか、と考える時期でもあります。
この素敵な絵本をヒントに、来年は日々の暮らしをより豊かに過ごしてみてはいかがですか?
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